2026年7月13日の教育ニュースから、子どもを持つ保護者に知っておいてほしい3本をお届けします。外国にルーツを持つ高校生への支援が十分に届いていない実態、子ども一人ひとりの特性に応じた学校空間設計の海外最前線、そして生成AIを「問いを深めるパートナー」として活用する新しい教育観——今日も教育の現場は静かに、しかし着実に変わろうとしています。
「うちの子の学校は大丈夫だろうか」「家庭でのAI活用、このままでいいのか」——そんな問いを持つ保護者の方に、今日のニュースが少しでもヒントになれば幸いです。3分ほどで読めるようにまとめました。

今日のポイント
- 千葉大学の調査で、外国にルーツを持つ生徒が在籍する県立高校の約4割が在籍数を把握していないことが明らかに
- 「New Education Expo 2026」で日本・欧州の学校施設比較から、インクルーシブな空間設計の重要性が提言された
- 生成AIを「問いを深めるパートナー」として活用する教員向け無料セミナーが8月8日に開催
在籍数を把握できていない高校が約4割——外国にルーツを持つ生徒の支援に見えてきた課題
千葉大学インターカルチュラル・スタディセンター(ICSセンター)は2026年7月10日、千葉県内の県立高校95校を対象に、外国にルーツを持つ生徒276人・保護者122人・担当教諭294人を含む大規模な実態調査の結果を発表しました。生徒・保護者・教員の3者の視点から外国につながる子どもたちの教育環境を包括的に調査した、意義のあるデータです。
調査が明らかにしたのは、外国にルーツを持つ生徒が在籍する高校の約4割が、その在籍数を把握できていないという実態です。「どんな生徒がいるかわからない」状態では、きめ細かなサポートを届けることは難しくなります。言語的なフォローはもちろん、文化的な背景や家庭環境への理解も、学校全体で持つべき視点と言えるでしょう。
これは外国にルーツを持つご家庭だけの問題ではありません。多様なバックグラウンドを持つ同級生と共に学べる環境は、すべての子どものコミュニケーション力や多文化理解力を育む土台にもなります。学校が個々の生徒を「見えている」かどうかは、学校全体の学びの質に関わる大切なテーマです。
出典:こどもとIT「千葉大学が『外国にルーツを持つ高校生』の実態を調査、約4割の高校は在籍数を把握せず」
子ども一人ひとりに合う空間づくり——欧州の学校施設から日本が学べること
2026年6月4〜6日に東京・有明で開催された「New Education Expo 2026」で、学校施設の研究に取り組む3名の研究者による講演が行われました。日本・スウェーデン・ノルウェー・ドイツの学校施設を比較しながら、インクルーシブ教育や不登校対応への配慮、多様な学習活動に応じた柔軟な空間設計の重要性が紹介されています。
「学校の教室はどこも同じ四角い部屋」というイメージが根強い日本と比べ、欧州では「活発に動いて学ぶ子」「静かな一人の時間が必要な子」それぞれが自分に合った場所で学べる設計が当たり前になりつつあります。学ぶ空間そのものが子どもの多様な特性を受け入れる設計になっているのです。
「教室が苦手」「学校でなんとなく疲れやすい」と感じるお子さんがいる場合、それは子ども側だけの問題ではなく、空間や環境との相性が影響している可能性もあります。学校選びや家庭の学習環境を整える際に、「その場が子どもの特性と合っているか」という視点を持つことが、今後ますます大切になるでしょう。
出典:学びの場.com「多様な学習活動や一人ひとりの特性に合わせた柔軟な空間づくり」
AIは「問いを深めるパートナー」——家庭でも活かせるAI活用の新発想
インプレスのこどもとIT編集部は、2026年8月8日(土)に小学校・中学校・高等学校の教員を中心とした教育関係者を対象に、無料セミナー「主体的・対話的で深い学びを引き出す デザインプロンプト講座」を開催します。生成AIを単に「答えを出すツール」としてではなく、子どもの「問い」を引き出し深めるパートナーとして活用する考え方を学ぶ場として設計されています。
「AIに頼ると自分で考えなくなる」——多くの保護者が感じる懸念です。しかしこのセミナーのコンセプトはまさにその逆を目指しています。「なぜ?」「もっと知りたい」という気持ちを引き出す問いの設計(プロンプトデザイン)は、教室だけでなく家庭での子育てにも応用できる考え方です。
もしお子さんがAIを使って宿題を素早く終わらせているだけなら、一度「そのAIにどんな問いを投げかけているか」を一緒に確認してみてください。「もっと面白い問いはないかな」と親子で考えること自体が、思考力のトレーニングになります。セミナーは教員向けですが、そのエッセンスは家庭でも十分に活かせます。
出典:こどもとIT「生成AIを『問いを深めるパートナー』へ、教員向け無料セミナーを8月8日に開催」
編集部の視点
今日の3本に通底しているのは、「教育の現場が、子どもの多様性に本気で向き合い始めている」という流れです。外国にルーツを持つ生徒を把握できていない課題も、一人ひとりに合う空間設計の探求も、AIで問いを深める発想も、すべて「画一的な教育から個別最適な学びへ」というシフトの一部として読み取ることができます。
家庭でできることは小さく見えるかもしれませんが、子どもが「なぜ?」と感じた瞬間を大切にし、その問いに一緒に向き合える場をつくることは、どんな教育環境にいても変わらない土台です。学校の変化を「他人事」ではなく「自分事」として受け止め、お子さんの学びについて今日少し話し合ってみてはいかがでしょうか。
監修:小牧健也(Investure編集長)


