自己肯定感とは?意味と高める方法を中高生にもわかりやすく解説

この記事を読むとわかること

  • 自己肯定感の意味を、一文でわかりやすく理解できる
  • 自己肯定感と「自尊感情」「自己効力感」の違い
  • 中高生の自己肯定感が下がりやすい理由
  • 今日から一人でできる、自己肯定感を高める習慣
  • 保護者や先生ができるサポートのポイント

テストの点数が悪かっただけで「自分はダメな人間だ」と感じてしまう。SNSで友達のキラキラした投稿を見て、自分だけ取り残されている気がする。そんな経験がある人は、決して少なくありません。

その感覚の正体は、多くの場合「自己肯定感」の落ち込みです。自己肯定感は生まれつき決まっているものではなく、日々の考え方や行動のクセによって、今日からでも育てていけます。

「自尊感情」「自己効力感」といった似た言葉との違いを整理したうえで、今日から一人で試せる具体的な方法を紹介します。

自己肯定感とは?意味をわかりやすく解説

自己肯定感とはの図解

自己肯定感とは、成績や見た目、他人からの評価に関係なく「今の自分のままでいい」と感じられる心の状態のことです。

「勉強ができるから自分には価値がある」「かわいい(かっこいい)から認められる」といった条件付きの自信とは違います。何かができてもできなくても、自分という存在そのものを受け入れられる感覚が自己肯定感です。

自己肯定感が高い人は、失敗したときも「自分はダメだ」と全否定せず、「今回はうまくいかなかっただけ」と切り分けて考えられます。逆に自己肯定感が低いと、小さなミスひとつで自分全体を否定してしまいやすくなります。

自己肯定感と自尊感情・自己効力感はどう違う?

自己肯定感と自尊感情・自己効力感の違いの図解

自己肯定感と混同されやすい言葉に「自尊感情」と「自己効力感」があります。この3つは似ているようで、指しているものが少しずつ違います。

用語意味焦点
自己肯定感ありのままの自分を認める感覚存在そのもの
自尊感情自分への評価が安定して肯定的な状態自分への評価
自己効力感「自分はきっとできる」という見込みこれからの行動

たとえば数学のテストで間違えたとき、自己肯定感が高い人は「間違えたけど、自分の価値が下がるわけじゃない」と考えられます。一方、自己効力感が高い人は「今回はできなかったけど、次はやり方を変えればできるはず」と考えます。同じ場面でも、支えている感覚が違うということです。

厳密な使い分けをする専門家もいれば、ほぼ同じ意味として扱う専門家もいます(日本セルフエスティーム普及協会「自己肯定感とは?意味・定義をわかりやすく解説」2024年 https://self-esteem.or.jp/selfesteem/)。言葉の違いにこだわりすぎず、「ありのままの自分を認める力」という軸で理解しておけば十分です。

自己肯定感が高い人・低い人にはどんな特徴がある?

自己肯定感が高い人・低い人の特徴の図解

自己肯定感の高さは、日常のちょっとした場面に表れます。

場面自己肯定感が高い人自己肯定感が低い人
失敗したとき「次はどうしようか」と考える「自分には無理だ」と思い込む
人と比べたとき「自分は自分」と割り切れる落ち込んで自分を責める
褒められたとき素直に受け止められる「そんなことない」と否定する
新しいことに挑戦するときまず試してみようとする失敗を恐れて動けなくなる

どれか1つでも当てはまるからといって、自己肯定感が低いと決めつける必要はありません。多くの人は、場面によって高くなったり低くなったりを繰り返しています。

中高生の自己肯定感が下がりやすい理由は?

中高生の自己肯定感が下がりやすい理由の図解

中高生の時期は、他の年代に比べて自己肯定感が下がりやすい条件がそろっています。

成績で評価される機会が多い

学校生活では、テストの点数や順位、内申点など、数字で評価される場面が続きます。「できる・できない」で判断される機会が多いほど、条件付きの自信と自己肯定感を混同しやすくなります。

SNSで他人と比較しやすい

友達の楽しそうな投稿や「映える」写真を見て、自分の日常と比べてしまうことは自然な反応です。ただし、SNSに映るのは相手の生活のごく一部だという前提を忘れると、必要以上に落ち込む原因になります。

思春期特有の心の変化

思春期は、自分と他人を意識的に比べ始める時期でもあります。体つきや性格の変化に戸惑い、「自分らしさ」がわからなくなることも、自己肯定感が揺らぐ一因です。

実際、日本の若者の自己肯定感は国際的に見ても低い水準にあります。内閣府の調査では「自分自身に満足している」と答えた日本の若者は45.1%にとどまり、アメリカ(86.0%)やドイツ(80.9%)など欧米諸国と比べて突出して低い結果でした(内閣府「令和元年版子供・若者白書」2019年6月 https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01gaiyou/)。これは個人の性格の問題というより、減点方式の評価や、謙遜を美徳とする文化的な背景も影響していると考えられています。

自己肯定感は、テストの点数だけでは測れない「非認知能力」を構成する力の一つでもあります。非認知能力全体については「非認知能力とは?中高生でも伸ばせる力の正体と今日からできる鍛え方」で紹介しているので、あわせて読んでみてください。

自己肯定感を高める方法は?今日からできる習慣

自己肯定感を高める習慣の図解

自己肯定感は、特別な訓練がなくても、日々の考え方のクセを変えることで少しずつ育てられます。

小さな「できた」を記録する

1日の終わりに、その日できたことを1つでもノートに書き出してみましょう。「宿題を早く終わらせた」「友達に挨拶できた」など、小さなことで構いません。小さな成功体験の積み重ねが、自己肯定感の土台になります。

自分への言葉づかいを変える

「自分はダメだ」と思ったときは、「今回はうまくいかなかった」と事実だけを認める言い方に置き換えてみてください。自分を責める言葉を減らすだけで、心の負担がかなり軽くなります。

他人と比べず、過去の自分と比べる

比較すること自体は悪いことではありませんが、比べる相手を「他人」から「過去の自分」に変えるだけで、成長を実感しやすくなります。

得意なこと・好きなことに時間を使う

勉強や部活だけがすべてではありません。絵を描く、動画を作る、ゲームで工夫を考えるなど、自分が夢中になれることに取り組む時間は、「自分にもできることがある」という感覚を育てます。Investureが大切にしている「好きなことに挑戦する」という考え方も、ここにつながっています。

失敗を人に話してみる

失敗を隠さずに友達や家族に話してみると、「自分だけじゃなかった」と気づけることがあります。一人で抱え込むほど、失敗は実際以上に大きく感じられるものです。

保護者や先生が中高生を支えるためにできることは?

自己肯定感は本人の努力だけでなく、周りの大人の関わり方によっても大きく変わります。

結果より過程を認める言葉をかける

「点数が上がったね」だけでなく、「毎日コツコツ続けていたね」のように、結果に至るまでの努力に目を向けた声かけを意識してみてください。結果だけを評価されると、子どもは「できないと価値がない」と感じやすくなります。

比較する言葉を避ける

「お兄ちゃんはできたのに」「〇〇さんはもっと頑張っている」といった比較の言葉は、自己肯定感を下げる代表的な原因です。その子自身の変化に目を向けた声かけに置き換えることが大切です。

失敗を安心して話せる関係をつくる

子どもが失敗を話してきたときに頭ごなしに否定せず、「話してくれてありがとう」と受け止めるところから始めてみましょう。安心して話せる相手がいることが、自己肯定感を保つ支えになります。子どもが本音を話しにくそうにしているときの関わり方は、「子どものSOSをAIが受け止める時代|相談できない子どもへの親のアプローチ」でも取り上げています。

自己肯定感に関するよくある質問

Q. 自己肯定感が低いのは性格の問題ですか?
A. 性格というより、これまでの経験や周囲からの評価のされ方の積み重ねによる部分が大きいです。後天的に育てていくことができます。

Q. 自己肯定感と自信は同じ意味ですか?
A. 近い言葉ですが、自信は「何かができること」に基づくことが多いのに対し、自己肯定感は「できるかどうかに関係なく自分を認める」感覚を指します。

Q. 自己肯定感はすぐに高くなりますか?
A. 一度の成功体験だけで劇的に変わるものではありません。小さな積み重ねを続けることで、時間をかけて安定していきます。

Q. 自己肯定感が低いと将来どんな影響がありますか?
A. 新しい挑戦を避けたり、人間関係で自分の意見を言いにくくなったりする傾向があります。ただし今からの行動次第で変えていけます。

まとめ

自己肯定感とは、できる・できないに関係なく「今の自分でいい」と思える感覚のことです。自尊感情や自己効力感と近い部分もありますが、まずは「ありのままの自分を認める力」として理解しておけば十分です。

中高生の時期は成績やSNSでの比較にさらされやすく、自己肯定感が揺らぎやすい時期でもあります。ただし、小さな成功体験を積み重ねたり、自分への言葉づかいを変えたりすることで、今日からでも育てていけます。

「自分には何もない」と感じたときこそ、好きなことや得意なことに挑戦してみてください。Investureでは、学校の勉強だけでは測れない挑戦の機会や、同じように試行錯誤している仲間の姿を知ることができるコンテンツを用意しています。自分のペースで、自分を認める力を育てていきましょう。


監修:小牧健也(Investure編集長)

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