「PBLってよく聞くけれど、うちの子が受けている授業と何が違うの?」——学校説明会や進路情報で「PBL」という言葉を見かけて、そんな疑問を持った保護者の方も多いのではないでしょうか。
PBLは、教科書の内容を覚えることが目的ではなく、実社会の課題に自分たちで取り組みながら学ぶ授業スタイルです。2022年度の学習指導要領改訂以降、多くの中学校・高校で本格的に導入が進んでいます。
この記事を読むとわかること
- PBL(課題解決型学習)の定義と、従来の授業やアクティブラーニングとの違い
- PBLが今の学校教育で重視されるようになった背景
- 実際の授業がどのような4つのステップで進むのか
- PBLを通じて子どもが身につけられる力
- 中学校・高校でのPBL実践事例と、家庭でできるサポート
PBL(課題解決型学習)とは何か
PBLの定義:「課題」から出発する学び方
PBLは「Project Based Learning」または「Problem Based Learning」の頭文字を取った言葉で、日本語では「課題解決型学習」や「問題解決型学習」と呼ばれます。教員が最初に知識を教え、その後で応用課題に取り組む従来型の授業とは順序が逆で、まず課題が示され、その解決に必要な知識を生徒自身が考えながら学んでいく点が特徴です。
出典:教員向けキャリア支援サイト「PBL(課題解決型学習)とは?特徴と導入例を解説」2025年3月
「正解を覚える」のではなく「正解のない問いに向き合う」学び方だと考えると、イメージがつかみやすいかもしれません。情報収集・分析・仮説検証・発表というプロセスを通じて解決策を探っていく学び方で、必ずしも正解・不正解が決まっているとは限りません。テストのように「正しい答えを選ぶ」練習ではなく、「納得できる答えを自分たちでつくる」練習だと考えると、学校の授業との違いがイメージしやすくなります。
出典:Ameba学校探し「話題のPBL(課題解決学習)を取り入れている中学・高校【2025年版】」2025年10月
たとえば、通常の授業なら「経営とは何か」を教科書で学んでから演習問題に取り組みますが、PBLでは先に「地元の商店街を元気にするにはどうすればいいか」という課題が示されます。生徒は「そもそも経営って何だろう」「集客のためにどんな知識が必要だろう」と考えながら、必要な知識を自分たちで調べにいく流れになります。教員は答えを教える立場ではなく、生徒の思考を後押しする「ファシリテーター」として関わります。
生まれた背景:アメリカの教育学者デューイの理論
PBLはもともと日本発祥の教育方法ではありません。アメリカの教育学者ジョン・デューイが開発した教育方法がルーツとされています。「経験から学ぶ」ことを重視するデューイの思想が、100年以上の時を経て、今の日本の学校現場に取り入れられているのです。
出典:スタスタ「【年代別】PBL 問題解決型学習の授業例|小学校・中学校・高校」2022年7月
医学部の教育などで先行して使われてきた手法ですが、近年は中学校・高校でも広く採用されるようになりました。もともとは、実際の患者の症例をもとに、必要な医学知識を自分たちで調べながら学ぶ「臨床から出発する学び方」として広まった経緯があります。「まず現場の課題に触れ、そこから知識を身につけていく」という発想は、社会に出てから求められる学び方そのものだと考えると、教育現場に広がった理由も見えてきます。
なぜ今、学校でPBLが注目されているのか
学習指導要領改訂と「総合的な探究の時間」
PBLが急速に広がった大きなきっかけが、2022年度からの高校学習指導要領改訂です。それまでの「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」に変わり、自ら課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現する力の育成が目標として明確に位置づけられました。
出典:一般社団法人英語4技能・探究学習推進協会「高校の新しい探究学習科目「総合的な探究の時間」の学習指導要領の内容とは?」2019年12月
この探究のプロセス(課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現)は、PBLの進め方とほぼ同じ構造です。探究学習を進めるうえで、PBLやアクティブラーニングは生徒の学びを深めるための方法として機能しています。
出典:キャリア教育ラボ「2022年度から高校で導入される「総合的な探究の時間」とは?」2021年12月
Society 5.0時代に求められる「チームで働く力」
AIやDXが日常に浸透する社会では、決まった手順をこなすだけの作業は少しずつ機械に置き換わっていきます。一方で、異なる専門性を持つ人と力を合わせて課題に取り組む場面は、これからも増え続けると考えられています。
経済産業省が提唱する「社会人基礎力」でも、「チームで働く力」は3本柱のひとつに数えられています。PBLは、こうした力を中高生のうちから体験的に育てる場としても期待されているのです。
GIGAスクール構想がPBLを後押しした
もうひとつの後押しになったのが、1人1台端末が全国の学校に整備された「GIGAスクール構想」です。生徒それぞれがタブレットやノートパソコンを使えるようになったことで、情報収集の幅が一気に広がりました。図書館だけでは手に入らなかった統計データや一次情報にアクセスできるようになり、複数人で同時にひとつの資料を編集する共同作業もしやすくなっています。
この環境の変化は、PBLで求められる「情報を集めて、整理して、まとめて、発表する」という一連の作業と非常に相性がよく、ICTの普及がPBLの広がりを技術面から後押ししたといえます。
PBLとSBL・探究学習・アクティブラーニングとの違い
PBL vs SBL:学習の「順序」が違う
従来型の授業スタイルはSBL(Subject-based Learning、科目進行型学習)と呼ばれます。SBLではまず一般的な知識を学んで基本を身に付けたうえで、それを実践にどう生かすかという課題が出されます。
これに対しPBLは、はじめに課題が提示され、生徒自身が課題解決に必要な知識を学び、それを使って課題解決に取り組むという逆の順序で進みます。どちらも「知識」と「実践」の両方を扱いますが、どちらを先に置くかが根本的に異なります。
出典:すらら「PBLとはどんな学習方法?特徴や授業の進め方、事例を解説」2024年3月
PBLと探究学習はほぼ同じ枠組み
「探究学習」という言葉もよく耳にすると思いますが、PBLとの境界線はかなり曖昧です。学校現場では、「総合的な探究の時間」の中でPBL型の授業が行われているケースがほとんどで、実質的には同じ学びのプロセスを指していることが多いといえます。あえて違いを挙げるなら、「探究学習」は文部科学省が定めた科目・時間の名称であるのに対し、「PBL」はその中で使われる教育手法の名称、という関係に近いといえます。
PBLとアクティブラーニングの関係
アクティブラーニングは「生徒が主体的・対話的に学ぶ授業方法」全般を指す、より広い概念です。PBLは、このアクティブラーニングの中でも中心的な役割を果たす手法のひとつと位置づけられています。グループディスカッションや反転授業なども広い意味でアクティブラーニングに含まれますが、PBLはその中でも「実社会の課題に取り組む」という点に強い特徴があります。
4つの学び方をひと目で比較
似た言葉が多いため、混同しやすいポイントを表にまとめました。
| 学び方 | 学習の起点 | 特徴 |
|---|---|---|
| SBL(科目進行型学習) | 教科書の基礎知識 | 知識を身につけたあとに応用課題に取り組む |
| PBL(課題解決型学習) | 実社会の課題 | 課題解決に必要な知識を後から自分で学ぶ |
| 探究学習 | 自分自身の問い | 学習指導要領上の科目・時間の名称。PBLの手法が使われることが多い |
| アクティブラーニング | 主体的・対話的な活動全般 | PBLを含む、より広い授業方法の総称 |
出典:キャリア教育ラボ「2022年度から高校で導入される「総合的な探究の時間」とは?」2021年12月
PBLの授業はどう進むのか:4つのステップ
PBLの進め方は学校や教科によってさまざまですが、骨格となるプロセスは共通しています。その基本構造は、課題の設定→情報収集→整理と分析→まとめ・表現という探究のプロセスに符合します。
出典:株式会社プロジェクトデザイン「PBL(課題解決型学習)とは何か?その意味と背景、学校の教育現場における事例」2024年12月
ステップ1:課題の設定
「地元の商店街を元気にするには?」「学校の食品ロスを減らすには?」など、正解が一つに定まらないテーマを設定します。このステップは探究プロセス全体の中でも特に難しいとされており、教員が一方的にテーマを与えるのではなく、生徒自身が「なぜそれが問題なのか」を考える時間を大切にする学校が多いようです。
ステップ2:情報の収集
設定した課題について、本やインターネット、インタビュー、フィールドワークなどを通じて情報を集めます。実社会の課題を扱うPBLでは、企業や自治体、NPOなど学校の外にいる人に話を聞く機会が設けられることも珍しくありません。
ステップ3:整理・分析
集めた情報を整理し、「何が本当の原因なのか」「どんな解決策が考えられるか」を仲間と話し合いながら分析します。ここで意見が対立することもありますが、その対立こそが思考を深めるきっかけになります。
ステップ4:まとめ・表現
考えた解決策をレポートやプレゼンテーションの形にまとめ、発表します。多くの学校では学年末に発表会が開かれ、保護者や地域の人が参加できる形式を取っていることもあります。
たとえば、中学2年生のグループが「地元商店街のシャッター街化を防ぐには?」という課題に取り組んだとします。まず商店街を歩いて店主にインタビューし(課題の設定・情報収集)、「若い世代が立ち寄る理由がない」という共通の悩みを見つけます(整理・分析)。そのうえで、SNSを使った情報発信の企画書を作成し、実際に商店会の会合で発表する(まとめ・表現)——というように、4つのステップは一直線ではなく、行き来しながら進んでいくのが実際の姿です。
PBLの2つのアプローチ方法
PBLの進め方には、大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつは「チュートリアル型」で、少人数のグループがディスカッションを中心に課題解決に取り組む方法です。もうひとつは「実践体験型」で、企業や地域など実社会の現場に入り込みながら課題に取り組みます。2つの方法のうち、チュートリアル型のほうが学校現場では実施しやすいため、主流の進め方として採用されることが多くなっています。
出典:キャリア教育ラボ「問題解決型学習・PBLとは?問題解決力で「生きる力」を育む学習法」2021年5月
PBLを通じて身につく力
課題発見力・問題解決力
与えられた問題を解くのではなく、自分で「何が問題か」を見つけるところから始めるため、物事を多角的に捉える力が養われます。ひとつの課題に深く向き合うプロセスの中で、他の場面でも「なぜだろう」と考えるクセが自然と身につきやすくなります。
協働する力・コミュニケーション力
グループでの話し合いや発表を通じて、自分の考えを相手に伝わる形で説明する力や、相手の意見を最後まで聞いて意図を汲み取る力が鍛えられます。これらの力は、高校の推薦入試やAO入試のグループディスカッション、将来の就職活動の面接など、さまざまな場面で活きてきます。
グループで意見が割れたときに、どちらかを「正しい」「間違っている」と決めつけるのではなく、両方の意見にヒントがあると捉えて第3の案を探す経験も、PBLならではのものです。この「対立を力に変える」練習は、教科の勉強だけではなかなか得にくい種類の学びといえます。
主体性・自己肯定感
「自分たちで考えて、自分たちで行動した」という経験は、テストの点数だけでは得られない達成感につながります。特に、自分の意見が形になり誰かに届いたという実感は、子どもの自己肯定感を育むうえでも大きな意味を持ちます。
「生きた知識」として定着しやすい
暗記した知識はテストが終わると忘れてしまいがちですが、課題解決のために自分で調べて使った知識は記憶に残りやすいという特徴があります。ひとつの課題に徹底的に取り組むからこそ、学んだことが「生きた知識」として定着しやすく、現実生活の中でも応用しやすくなるといわれています。
出典:スタスタ「【年代別】PBL 問題解決型学習の授業例|小学校・中学校・高校」2022年7月
【学校種別】PBLの実践事例
PBLは小学校から大学まで幅広い校種で実践されていますが、学年が上がるにつれて扱うテーマや関わる大人の範囲が広がっていく傾向があります。中学校・高校・大学、それぞれの実践例を紹介します。
中学校:地域課題をテーマにした取り組み
中学校では、身近な地域社会をテーマにしたPBLが多く見られます。地元商店街の活性化案づくりや海洋環境保全プロジェクトなど、地域のNPOや企業と連携しながら実社会の問題に取り組む学校もあります。教室の中だけで完結せず、実際に地域に出て取材や調査を行う点が、この年代の実践の特徴といえます。
出典:Ameba学校探し「話題のPBL(課題解決学習)を取り入れている中学・高校【2025年版】」2025年10月
社会人基礎力の育成を明確な目標に掲げ、中学生の間に段階的にPBLのトレーニングを進めている学校もあります。地域を実際に歩いて自分たちで課題を見つけ、その解決に取り組む経験を通じて、生徒が達成感や次の学びへの意欲を得ていくことが期待されています。
出典:株式会社プロジェクトデザイン「PBL(課題解決型学習)とは何か?その意味と背景、学校の教育現場における事例」2024年12月
高校:SDGsや企業連携をテーマにした取り組み
高校になると、テーマの幅がさらに広がります。「探究」「グローバル探究」といった専門性の高いPBL科目を設け、社会人や大学の研究者と連携した実践型プロジェクトに取り組む高校もあります。AIと医療、起業とSDGsのように複数の分野を組み合わせたテーマに挑戦するケースもあり、学年末には全校でのプレゼン大会を開催する学校も見られます。
独自の研修旅行という形でPBLを行う学校もあります。財政破綻からの再建を目指す地域や震災からの復興に取り組む地域を訪れ、現地の取り組みをもとに若者の視点から課題解決を提案する取り組みも行われています。
出典:郁文館夢学園「SDGs教育」
大学:地域や企業と連携した課題解決型学修
大学では、PBLが正課の授業科目として組み込まれていることも珍しくありません。自治体や企業と連携協定を結び、ゼミナールや実習科目でPBLを導入し、ICTを活用した地域振興策の開発などに取り組んでいる大学もあります。中学・高校で培ったPBLの経験が、進学後の学びにもつながっていく流れが見えてきます。
出典:公益財団法人大学基準協会「PBL(Project Based Learning)型授業における地域課題解決に向けた取組み」
PBLの成果はどう評価されるのか
テストのように「正解・不正解」で採点できないPBLでは、評価の仕方も従来の授業とは異なります。保護者としては「成績にどう反映されるのか」が気になるところではないでしょうか。
成果物だけでなく「過程」も評価対象になる
PBLの評価では、最終的なレポートやプレゼンテーションといった成果物だけでなく、話し合いの様子や取り組みの過程も評価の対象になります。学習過程も評価できる評価方法を用いることで、成果物やプレゼンテーションで本来の実力が出なかった場合でも、しっかり評価できるようにする狙いがあります。
出典:キャリア教育ラボ「探究学習やPBLの評価方法は?事例紹介」2023年2月
ルーブリック(評価基準表)が使われることが多い
多くの学校では、「課題発見力」「情報収集力」「協働する姿勢」「表現力」といった観点ごとに、達成度をA・B・Cなどの段階で示す「ルーブリック」という評価基準表が使われています。あらかじめ評価の観点が示されているため、生徒自身も「何を意識して取り組めばよいか」がわかりやすくなるという利点があります。
学期ごとの通知表に反映される場合もあれば、大学入試の総合型選抜(旧AO入試)で提出する活動報告書の材料として使われる場合もあり、扱われ方は学校によってさまざまです。気になる場合は、学校の説明会や個人面談で確認してみるとよいでしょう。
大学入試とのつながり
近年広がっている総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜では、高校時代の探究活動やPBLでの取り組みを、志望理由書や面接で語ることを求められるケースが増えています。ペーパーテストの点数だけでなく、「何を課題だと感じ、どう行動したか」というプロセスそのものが評価材料になる入試方式が広がってきているのです。
こうした流れを踏まえると、PBLの経験は目の前の授業だけで完結するものではなく、数年後の進路選択にもつながっていく可能性がある取り組みだといえます。
PBLに取り組むときによくある課題と家庭でのサポート
一部の生徒に負担が偏りやすい
グループでの活動が中心になるため、「積極的な子だけが作業を進め、おとなしい子は見ているだけになってしまう」という声は少なくありません。役割分担のルールを事前に決めておく、教員がこまめに進捗を確認するなど、学校側の工夫によってある程度は防げますが、完全になくすのは簡単ではないのが実情です。
もし、お子さんが「グループの中で自分の役割が見つけられない」と感じているようであれば、無理に人前で発言する役割を担わせる必要はありません。資料をまとめる、データを集める、デザインを整えるなど、得意なことで貢献できる役割はグループの中に必ずあります。「発言力があること」だけがPBLでの活躍ではないと伝えてあげることも、家庭でできるサポートのひとつです。
テーマ選びに時間がかかりやすい
「何について取り組むか」を決めるステップは、実は探究プロセス全体の中でも最も難しいといわれています。テーマが漠然としすぎていると調査が進まず、逆に狭すぎると発展性のない発表になってしまうため、生徒が試行錯誤する時間が必要になります。教員によっては、テーマ決めだけに数週間をかける学校もあり、「なかなか進んでいないように見える」時期があっても、それ自体がPBLの重要なプロセスだと捉えておくと安心です。
家庭でできるサポート
お子さんがPBLに取り組んでいるときは、答えを教えるのではなく「なぜそう考えたの?」と問いかけてみることが助けになります。学校での発表内容に関心を持ち、家庭で話題にするだけでも、子どもにとっては「自分の取り組みを見てもらえている」という安心感につながります。
うまくいかなかったことを責めるのではなく、試行錯誤のプロセスそのものを認めてあげる姿勢も大切です。PBLは結果より過程を重視する学び方だからこそ、家庭でも同じ視点で見守ることが子どもの意欲を支えます。
たとえば、発表の準備がうまく進まず子どもが落ち込んでいるときも、「なぜうまくいかなかったと思う?」「次はどうしてみる?」と一緒に振り返る時間を持つだけで、子どもは「失敗しても大丈夫」という安心感を得られます。学校の勉強では点数という明確な基準がありますが、PBLにはそれがない分、家庭からの言葉かけが子どもの自己評価に与える影響は小さくありません。
PBLの経験は、学校の外にある社会ともつながっている
PBLで身につく「課題を見つけ、仲間と考え、形にする」という一連の経験は、テストの点数には表れにくいものの、将来仕事をするうえで必要になる力そのものでもあります。マーケティングも経営も、突き詰めれば「課題を見つけて解決策を考える」プロセスの繰り返しです。
たとえば、商店街の活性化案を考えるプロジェクトは、企業のマーケティング担当者が日々取り組んでいる仕事とほぼ同じ構造をしています。「誰に、何を、どうやって届けるか」を考える経験は、そのまま社会に出てから使える視点につながっていきます。学校の探究テーマを「これは社会のどんな仕事に近いのだろう」という視点で振り返ってみると、子どもにとっての学びの意味がぐっと具体的になります。
一方で、こうした「社会とのつながり」を家庭だけで示すのは簡単ではありません。学校の授業で扱われる機会が少ない、お金の知識や働き方の選択肢について、家庭でどう伝えればいいか悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。学校の授業と社会とのつながりを意識しながら、お子さんの探究テーマを一緒に振り返ってみてはいかがでしょうか。
PBLに関するよくある質問
PBLとPjBL、PBLLの違いは何ですか?
「PBL」という略語は、Project Based Learning(プロジェクト型学習)とProblem Based Learning(問題解決型学習)の両方を指す言葉として使われており、学校や文献によって使い分けが異なります。どちらも「課題を起点に学ぶ」という点では共通しているため、厳密な区別にこだわりすぎる必要はありません。
PBLは小学校でも行われていますか?
はい、行われています。小学校の「総合的な学習の時間」でも、地域の歴史や自然をテーマにした探究的な学習が実践されており、これも広い意味でのPBLに含まれます。中学・高校に進むにつれて、扱うテーマがより社会的・専門的になっていく傾向があります。
PBLは受験勉強と両立できますか?
学校によって時間の配分は異なりますが、多くの学校では教科の授業とは別の時間割でPBL・探究学習が行われており、受験科目の学習時間を大きく削るものではありません。むしろ、PBLで培った「自分で課題を見つけて調べる力」は、大学入試の探究型入試や総合型選抜(旧AO入試)で評価される力とも重なります。
保護者は学校のPBLにどう関わればよいですか?
学校から発表会やフィールドワークへの協力依頼があれば、可能な範囲で参加してみることをおすすめします。難しい場合でも、子どもが取り組んでいるテーマについて家庭で話を聞き、関心を示すだけで十分なサポートになります。
PBLに向いている子・苦手意識を持ちやすい子はいますか?
正解がはっきりしない課題に取り組むため、最初は戸惑う子どもも少なくありません。ただし、これは性格の向き不向きというより「慣れ」の要素が大きいとされています。最初はうまく発言できなくても、経験を重ねるうちに自分なりの関わり方を見つけていくケースが多く見られます。
Investureでは、学校での学びが将来のキャリアや社会とどうつながっていくのかを、実学系の記事を通じて紹介しています。PBLで経験した「課題を見つけて解決する」プロセスをもっと深めたい方は、ぜひ公式SNSをフォローして関連記事もチェックしてみてください。
監修:小牧健也(Investure編集長)


