作文の書き方とは?中高生が「伝わる文章」を書くための構成のコツ

この記事を読むとわかること

  • 作文と読書感想文・小論文・意見文の違い
  • 作文を書き上げるまでの4つのステップ
  • 「起承転結」と「序論・本論・結論」の使い分け方
  • 読み手に伝わる書き出しの作り方
  • 原稿用紙の基本ルールと、やりがちなNG例の直し方

「作文って何から書けばいいのかわからない」「書き出しで固まって、そこから1文字も進まない」——学校の課題やコンクールの作文で、こんな経験をしたことがある人は多いはずです。

作文が苦手だと感じる原因のほとんどは、才能や語彙力の問題ではありません。文章を組み立てる「型」を知らないまま、いきなり書き始めてしまうことが最大の原因です。型さえ手に入れば、白紙の前で固まる時間は大きく減ります。

この記事では、中高生が「伝わる文章」を書くための構成のコツを、具体的なステップと例文つきで説明します。読み終わるころには、白紙のノートを前にしても、迷わず書き出せるようになっているはずです。


作文とは?読書感想文・小論文・意見文との違い

作文と読書感想文・小論文・意見文の違いの図解

作文とは、自分の体験や考えを、決められた形式にとらわれずに自由に表現する文章のことです。

学校では「作文」に似た名前の課題がいくつも登場しますが、それぞれ求められる内容が異なります。混同すると、的外れな内容になってしまうので注意が必要です。

種類中心になる内容求められる力
作文体験・出来事・そこで感じたこと素直な感想や気づきを言葉にする力
読書感想文本を読んで感じたこと・考えたこと本の内容と自分の経験を結びつける力
意見文あるテーマに対する自分の意見理由や根拠を示して主張する力
小論文社会的なテーマへの論理的な主張データや事実に基づいて論じる力

作文は「思ったこと・感じたこと」を中心に書くのに対し、小論文や意見文は「なぜそう考えるか」という理由づけの比重が大きくなります。この違いを最初に押さえておくだけで、書く内容の方向性がぶれにくくなります。読書感想文の書き方に絞って詳しく知りたい人は、読書感想文が書けない子に親ができること|表現力を育てるサポート術もあわせて参考にしてみてください。


作文の書き方は4つのステップでわかる

作文の書き方4ステップの図解

作文は、いきなり原稿用紙に向かって書き始めるものではありません。書く前の準備が、仕上がりの半分以上を決めます。次の4ステップで進めると、途中で手が止まりにくくなります。

ステップ1:テーマから「自分だけの切り口」を見つける

テーマが決まったら、まずそのテーマに関する自分の体験を思い出す作業から始めます。「運動会」というテーマなら、優勝したことより、練習でうまくいかず悔しかったことのほうが、実は書きやすいことがよくあります。

きれいな出来事より、迷ったこと・失敗したこと・意外だったことのほうが、感情の動きを説明しやすく、結果として「伝わる文章」になりやすいです。思いついた出来事を3つほど紙に書き出し、いちばん気持ちが動いたものを選ぶとよいでしょう。

ステップ2:構成メモを作る

いきなり文章を書き始めると、途中で話がそれたり、同じ内容を繰り返したりしがちです。書く前に、各パートで何を書くかを一言でメモしておくと、迷いが大きく減ります。

構成メモの例(テーマ「部活動での経験」の場合)です。

  • 始まり:入部したきっかけ
  • 展開:うまくいかなかった出来事
  • 山場:それをどう乗り越えたか
  • まとめ:そこから学んだこと

このメモは3〜4行で十分です。完璧な文章にする必要はなく、「何をどの順番で書くか」の地図があればよいのです。

ステップ3:メモをもとに下書きする

構成メモができたら、各パートを文章にしていきます。このとき、細かい言い回しにこだわりすぎないことがポイントです。まずは最後まで書き切ることを優先し、表現の調整は次のステップに回します。

1文はできるだけ短く区切ります。「〜で、〜だったので、〜と思いました」のように文をつなげすぎると、読み手はどこが一番言いたいことなのか分かりにくくなります。

ステップ4:声に出して読み、推敲する

下書きが終わったら、声に出して読んでみましょう。黙読では気づかない「読みにくさ」が、声に出すと一気に見えてきます。息継ぎのタイミングで文が長すぎないか、同じ語尾が続いていないかを確認します。

推敲では、次の3点を重点的にチェックします。

  • 誤字脱字がないか
  • 主語と述語がねじれていないか(例:「私の目標は、部長になりたいです」→「私の目標は、部長になることです」)
  • テーマからそれている段落がないか

「伝わる文章」になる構成のコツ|起承転結と序論・本論・結論

起承転結と序論・本論・結論の使い分けの図解

作文が読みやすいかどうかは、内容そのものよりも「構成」で決まることが多いです。代表的な構成方法として、「起承転結」と「序論・本論・結論」の2つを紹介します。

起承転結:体験や気持ちの変化を描く作文に向く構成

起承転結は、物語のように出来事の流れを描く作文に向いた構成です。「起」で状況を説明し、「承」で出来事を広げ、「転」で変化や気づきを描き、「結」でまとめます。

パート役割分量の目安
いつ・どこで・何があったかの導入全体の1〜2割
出来事の詳しい説明全体の3割程度
心が動いた瞬間・気づき・変化全体の3〜4割
そこから学んだこと・今の自分全体の1〜2割

4つを均等な分量で書くと、間延びした印象になります。もっとも力を入れるべきは、気持ちが動いた瞬間を描く「転」の部分です。ここが薄いと、単なる出来事の説明で終わってしまいます。

序論・本論・結論:意見や考えを伝える作文に向く構成

一方、自分の意見や主張を中心に書く作文では、「序論・本論・結論」の3部構成のほうが伝わりやすくなります。序論で自分の考えを先に示し、本論でその理由を説明し、結論で改めて主張をまとめる流れです。

  • 序論:テーマに対する自分の考えを一言で示す
  • 本論:そう考える理由を、体験や具体例を交えて説明する
  • 結論:序論の内容を、少し言葉を変えて言い直す

この構成の利点は、最初に結論を示すため、読み手が「何についての文章か」を早い段階でつかめることです。税の作文や人権作文のような、意見を求められるテーマではこちらが向いています。


作文の書き出しはどう書く?パターン別の作り方

作文の書き出し3パターンの図解

作文全体の印象は、最初の1〜2文でほぼ決まります。書き出しで手が止まってしまう人は、以下の3パターンから選んで型に当てはめてみましょう。

パターン1:会話文から始める

「もう無理だ——。大会前日、チームメイトがつぶやいた一言が、今でも耳に残っています。」のように、誰かの発言や自分の心の声から始める方法です。読み手をその場面にすぐ引き込める効果があります。

パターン2:五感の描写から始める

「グラウンドに響く声援と、じりじり照りつける太陽。」のように、音や光景の描写から入る方法です。状況が目に浮かびやすく、情景が伝わりやすい書き出しになります。

パターン3:疑問形から始める

「なぜ、あのとき諦めなかったのだろう。」のように、自分自身への問いかけから始める方法です。この後の文章で答えを明かしていく流れが作れるため、意見文や小論文寄りの作文と相性がよい書き出しです。

いずれのパターンでも、「私は〇〇について書きます」のような説明的な一文で始めるのは避けましょう。説明から入ると、読み手の関心を引く前に文章が始まってしまいます。


原稿用紙の書き方の基本ルール

原稿用紙の基本ルールの図解

内容がどれだけよくても、原稿用紙のルールを守れていないと、正しく評価されないことがあります。基本のルールを一覧で確認しておきましょう。

ルール具体的な書き方
書き出し・段落の最初1マス空ける
句点(。)・読点(、)1マスに1つ。行の最初には置かず、前の行の最後のマスに文字と一緒に入れる
かぎかっこ「」開きかっこは1マス、閉じかっこは句点と同じマスに入れてよい
数字・アルファベット縦書きは漢数字、横書きは1マスに2文字が基本
会話文行を変えて1マス空けてから書く

原稿用紙のルールは、慣れないうちは細かく感じるかもしれません。しかし一度覚えてしまえば、どの作文にも共通して使える知識になります。


作文が苦手な人によくあるNG例

最後に、作文が苦手な人に共通して見られる3つのパターンと、その直し方を紹介します。自分に当てはまるものがないか確認してみましょう。

NG例1:出来事の説明だけで終わっている

「〇〇をしました。楽しかったです。」で終わる文章は、出来事の報告にとどまっており、作文としての深まりがありません。「なぜ楽しかったのか」「その瞬間、具体的に何を感じたのか」を掘り下げることで、文章に厚みが出ます。

NG例2:一文が長すぎる

「〜で、〜だったのですが、〜だったので、〜と思いました」のように、接続助詞でどんどん文をつなげてしまうケースです。1文で伝えることは1つに絞り、句点で区切る習慣をつけましょう。目安として、1文は50字前後に収めると読みやすくなります。

NG例3:結論が序論とずれている

書いているうちに話が広がりすぎて、最初に示した考えと、最後のまとめが微妙に食い違ってしまうことがあります。書き終えたら、序論と結論だけを続けて読み返し、内容がつながっているかを確かめてみてください。


「伝わる文章を書く力」はこれからの時代にどう役立つ?

作文の力は、学校の課題のためだけにあるのではありません。自分の考えを筋道立てて伝える力は、将来どんな進路を選んでも必要になります。

進学の面接や小論文入試はもちろん、就職後の企画書やプレゼン資料も、根本にあるのは「相手に伝わるように組み立てる」という同じ技術です。AIが文章の下書きを手伝ってくれる時代になっても、「何を伝えたいか」を自分の中で明確にする力は、AIに代わってもらうことができません。将来の進路選びと表現力のつながりが気になる人は、キャリア教育とは?文部科学省の定義から目指す力・家庭でできることまでわかりやすく解説も参考になります。

Investureでは、こうした「自分の考えを言葉にして発信する力」を育てるコンテンツも扱っています。書いた文章を人に見てもらいたい、自分の考えをアウトプットする経験を積みたいという人は、Investureのコミュニティで発信してみるのも一つの方法です。


よくある質問

作文の字数が足りないときはどうすればいいですか?

出来事の説明を増やすのではなく、「そのときの気持ち」や「なぜそう感じたか」を掘り下げてみましょう。1つの場面を丁寧に描写するだけで、自然と字数は伸びていきます。無理に別の出来事を付け足すと、話が散らかってしまうため注意が必要です。

作文と小論文の一番の違いは何ですか?

作文は自分の体験や気持ちを中心に書くのに対し、小論文は社会的なテーマについて根拠を示しながら論じる文章です。作文では「感じたこと」が主役ですが、小論文では「なぜそう考えるか」という論理の筋道が主役になります。

起承転結を使わないと減点されますか?

起承転結は数ある構成のひとつであり、必ず使わなければならない決まりではありません。意見や主張を伝えたい作文であれば、序論・本論・結論のほうが伝わりやすいこともあります。テーマの性質に合わせて構成を選ぶことが大切です。

書き出しがどうしても思いつきません。どうすればいいですか?

構成メモの中で一番書きやすいパート(多くの場合は「転」にあたる山場の場面)を先に書いてしまい、その後で書き出しを考える方法があります。全体を最初から順番に書く必要はありません。

誤字脱字を減らすコツはありますか?

書き終えてすぐに見直すのではなく、一度時間を空けてから読み返すと誤りに気づきやすくなります。声に出して読む、最後の1文から逆順に読むといった方法も、誤字脱字の発見に効果的です。


まとめ

作文が苦手だと感じる原因の多くは、才能ではなく「型を知らないまま書き始めていること」にあります。テーマから切り口を選び、構成メモを作り、下書きしてから推敲するという4ステップを踏むだけで、書き始めのハードルは大きく下がります。

体験や気持ちの変化を描くなら起承転結、意見や主張を伝えるなら序論・本論・結論というように、内容に合わせて構成を使い分けることも、伝わる文章への近道です。書き出しに悩んだときは、会話文・五感の描写・疑問形のいずれかから始めてみましょう。

原稿用紙のルールや推敲の習慣は、一度身につければどんな作文にも応用できます。今日の作文から、少しずつ試してみてください。


監修:小牧健也(Investure編集長)

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